【ダイヤモンド・ザイ9月号・動画まとめ】「安定インカム」か「値上がり期待」か?高配当株の“二刀流”投資術と注目6銘柄

「銀行預金代わりに、安定した配当金が欲しい」 「どうせなら配当もらいつつ、株価の大幅な値上がりも狙いたい」
高配当株投資と一言で言っても、その狙いは人それぞれ。そんな投資家の二大ニーズに応えるべく、投資専門誌「ダイヤモンド・ザイ」が、最強の“二刀流”投資術を公開しました。
この記事では、ザイ編集部が公式動画で明かした、高配当株を2つのタイプに分けて狙う、プロの戦略を徹底解説します。
- 「安定インカム株」…着実な配当収入を狙う、守りの投資
- 「値上がり期待の反撃株」…株価のV字回復を狙う、攻めの投資
花王やシマノといった具体的な注目6銘柄と共に、あなたの投資スタイルに合った「今、買うべき高配当株」が必ず見つかります。

動画で紹介された株や投資のコツを、初心者でも分かるようにまとめました。
注意:投資は自己責任でお願いします。この記事は動画の内容をまとめたものであり、投資を推奨するものではありません。
あなたはどっち?2つの高配当株投資戦略
「高配当株」と聞くと、単純に配当がたくさんもらえる会社のランキングを思い浮かべるかもしれません。しかし、もっと賢く、あなたの目的に合わせて銘柄を選ぶ方法があるんです。
今回は、投資スタイルに合わせて選べる2つの異なるアプローチで、「今、買うべき」高配当株の探し方をご紹介します。
① 安定したインカムゲインを狙う「着実タイプ」
- こんな人におすすめ!
- 「株価の大きな変動でハラハラするより、安定した収益をコツコツ得たい」というあなたへ。
- どんな投資?
- 株価の大きな値上がりを狙うのではなく、インカムゲイン(資産を持っていることで得られる配当収入)を重視するスタイルです。銀行預金よりもはるかに高い利回りを、着実に受け取ることを目指します。 選ぶ上での大切なポイントは、「減配(配当が減ってしまうこと)のリスクは低いか?」や、「安定して配当を出し続けられるか?」という企業の財務健全性(会社の経営が安定しているか)です。
② 値上がり益(キャピタルゲイン)も狙う「積極タイプ」
- こんな人におすすめ!
- 「配当をもらいながら、株価そのものが大きく上がることによる利益、つまりキャピタルゲインも期待したい!」というあなたへ。
- どんな投資?
- 今は何らかの理由で株価が伸び悩んでいるものの、業績の回復や事業の改革によって、これから株価が大きく「反撃」する可能性を秘めた銘柄がターゲットです。 株価が割安なうちに仕込んでおき、将来の大きなリターンを狙う、より積極的な戦略と言えます。インカムゲインとキャピタルゲインの「両取り」が狙えるのが魅力です。
ザイ編集部が選ぶ!注目の高配当株6選
それでは、2つのタイプ別に具体的な6つの銘柄を見ていきましょう。株を始めたばかりの方でも理解しやすいように、筆者の視点で初心者向けに分かりやすくまとめています。
【人気】安定インカム狙いの高配当株3選
王子ホールディングス (3861)
- 特徴:
- 王子ホールディングスは、日本で一番大きな製紙会社です。コピー用紙や段ボールなど、私たちの生活に欠かせない「紙」を作ってきた会社ですが、最近は 紙以外の新しい分野(機能性素材やバイオマス関連など) にも力を入れています。
- メリット:
- 配当利回りは 4%以上 と高めで、株を持っているだけで毎年安定した配当金がもらえるのが魅力です。
- 株価が「会社の持っている資産(純資産)」に比べてかなり割安な状態(PBR 1倍以下)になっており、“お買い得感”のある株 と言えます。
- 株主に利益を還元する姿勢が強いため、長く持つほど安心できる銘柄 です。
- デメリット:
- 紙の需要は、電子書籍やデジタル化の進展で年々減っており、主力の紙事業は将来的に縮小していくリスク があります。
- 景気や原材料価格の影響も受けやすいため、業績が変動する可能性があります。
- 未来の見通し:
- 王子ホールディングスは、ただ「紙を作る会社」というだけではなく、今後は 環境ビジネスや新素材分野 で成長が期待されています。特に、プラスチックの代わりになる紙素材や、バイオマスを活用した事業は、世界的に需要が高まる可能性があります。
初心者にとっては、株価の大きな成長はややゆっくりかもしれませんが、「安定して配当をもらいながら、将来の成長を待つ」タイプの投資 と考えると安心できる銘柄です。
- 王子ホールディングスは、ただ「紙を作る会社」というだけではなく、今後は 環境ビジネスや新素材分野 で成長が期待されています。特に、プラスチックの代わりになる紙素材や、バイオマスを活用した事業は、世界的に需要が高まる可能性があります。
住友倉庫 (9303)
- 特徴:
- 倉庫業界の大手で、モノを保管するだけでなく、国内外をつなぐ国際輸送も行っている総合物流企業です。ネット通販や国際貿易の増加により、需要が安定している点が強みです。
- メリット:
- 高配当株:配当利回りは4%以上と、安定した収入が期待できる。
- 物流需要の底堅さ:通販や国際物流の拡大で、倉庫・輸送のニーズは今後も続きやすい。
- 割安感:PBR(株価純資産倍率)が低く、株価が企業価値に比べて割安に見られる。
- デメリット:
- 景気に左右される:不景気になると、企業の出荷や輸送量が減ってしまい、利益も減る可能性がある。
- コスト上昇リスク:燃料代や人件費が上がると、利益を圧迫する要因になる。
- 未来の見通し:
- 今後は、ネット通販のさらなる普及や国際物流の需要増が追い風になりやすいです。また、AIや自動倉庫システムなどの効率化投資も進んでおり、長期的には成長が期待できます。
ただし、景気の変動やエネルギー価格の高騰には注意が必要です。短期的に株価が動くことはあっても、安定した高配当株として長期保有に向く銘柄といえるでしょう。
- 今後は、ネット通販のさらなる普及や国際物流の需要増が追い風になりやすいです。また、AIや自動倉庫システムなどの効率化投資も進んでおり、長期的には成長が期待できます。
電源開発 (9513)
- 特徴:
- 「J-POWER」という名前でも知られる大手の電力会社です。石炭を使った発電が中心ですが、電気は私たちの生活に欠かせないため、景気に左右されにくく安定しています。
- メリット:
- 配当が高め:株を持っているだけで、年に約4.5%の配当金がもらえる可能性があります。
- 需要が安定:電気は常に必要なので、会社の収入も安定しやすいです。
- 株が割安:会社の価値に比べて株価が低めで、買いやすい状態です。
- デメリット:
- 石炭発電は将来リスク:世界的に環境にやさしい電気に切り替える流れがあり、石炭発電は不利になりやすいです。
- 再生エネへの投資が必要:風力や水力などの新しい発電にお金をかける必要があります。
- 政策の影響を受けやすい:国のエネルギー政策の変化で業績が左右されることがあります。
- 未来の見通し:
- 今後は、石炭から風力・水力・バイオマスなどのクリーンな発電に切り替えていくことが重要です。洋上風力などへの投資も進んでおり、長期的には成長の可能性があります。
- ただし、政策の変化や環境の流れで株価は上下しやすいため、短期的には値動きがあります。長期で安定した配当を目当てに株を持ちたい人に向いた銘柄です。
【値上がり期待】反撃の配当株3選
花王 (4452)
- 特徴:
- 「アタック」「ビオレ」「ソフィーナ」など、日用品や化粧品で知られる大手メーカーです。家庭用品から化粧品まで幅広く展開しており、長年にわたり安定したブランド力を持っています。
- メリット:
- 増配が続く:34期連続で配当を増やしており、株を持っているだけで安定した収入が期待できる。
- 事業の改革中:利益率の高い分野に集中するなど、会社の効率化が進んでいる。
- ブランド力が強い:家庭用品や化粧品で広く知られており、安定した売上が見込める。
- デメリット:
- 化粧品事業の回復遅れ:海外・国内ともに化粧品の売上回復が遅い可能性がある。
- 原材料コスト上昇:原料や物流費の高騰が利益を圧迫するリスク。
- 国内市場の成長鈍化:日本国内の市場は成熟しており、大きな成長は見込みにくい。
- 未来の見通し:
- 今後は、海外市場や高付加価値商品の拡大がカギになります。家庭用品は安定した収益を支えつつ、化粧品やスキンケア商品の売上回復で株価の上昇が期待されます。
- 初心者向けには、「安定した高配当をもらいながら、事業改革や海外展開で成長も狙える銘柄」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
シマノ (7309)
- 特徴:
- 自転車の変速機やブレーキ、釣り具などで世界トップシェアを持つ大手メーカーです。高い技術力とブランド力で、スポーツ・アウトドア用品市場で安定した地位を築いています。
- メリット:
- 世界的ブランド:自転車部品や釣具で信頼されており、安定した売上が期待できる。
- 技術力が強い:高性能な製品で競合優位性を維持している。
- 株価の反発余地:コロナ特需の反動で株価が下がっているが、在庫調整が終われば業績回復とともに上昇が期待できる。
- デメリット:
- 需要の落ち着き:自転車や釣りのブームが沈静化しており、売上がコロナ前の水準に戻るまで時間がかかる可能性がある。
- 景気や趣味の影響:自転車や釣りの人気は景気や流行に左右されやすい。
- 未来の見通し:
- 今後は、世界的な自転車人気の回復やアウトドア・趣味市場の拡大が追い風となります。また、新製品や電動自転車向け部品の売上増も期待されます。短期的には株価が上下することもありますが、ブランド力と技術力があるため、長期で安定的な成長や配当を狙いたい人向けの銘柄といえます。
三菱ケミカルグループ (4188)
- 特徴:
- 日本最大級の総合化学メーカーです。プラスチックや化学製品、素材など幅広く手がけており、様々な産業で使われる製品を提供しています。
- メリット:
- 事業の再編で効率化:利益が出にくい事業から撤退し、成長分野に集中することで収益改善が期待できる。
- 多角化による安定:幅広い分野の事業を持つため、一部の市場が低迷しても全体の安定性がある。
- 株価の再評価余地:収益改善や成長事業への注力により、株価が見直される可能性がある。
- デメリット:
- 原材料価格に左右される:石油化学製品は原油価格の変動で利益が大きく変わる。
- 世界景気の影響:世界の景気や需要によって業績が変動しやすい。
- 事業再編の不確実性:計画通りに不採算事業の撤退や成長分野への集中が進むかは不透明。
- 未来の見通し:
- 今後は、医療・高機能素材・環境関連素材など成長が見込める分野に力を入れることで、会社の利益が増える可能性があります。また、不採算事業の整理が進めば、効率の良い会社として投資家から評価されやすくなります。
- 初心者向けには、「事業の整理と成長分野への注力で、安定した長期投資向きの銘柄になる可能性がある」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
まとめ
今回は、ダイヤモンド・ザイが厳選した「今が買い!」の高配当株6銘柄を、2つの投資戦略別にご紹介しました。
この記事で最も重要なことは、「高配当株」という一括りではなく、あなたが「安定インカム」と「値上がり益」のどちらを重視するかで、選ぶべき銘柄が全く異なるという視点です。
- 守りを固め、着実な配当収入を得たいなら → 王子HDや住友倉庫のような、株価が割安で財務が安定した「人気の高配当株」
- リスクを取ってでも、大きなリターンを夢見たいなら → 花王やシマノのように、現在は不振でも世界的な実力を持つ「値上がり期待の反撃株」
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投資は自己責任でお願いします。上記の情報は動画の内容をまとめたものであり、投資を推奨するものではありません。