【Amazon物販の闇】ある日突然、”たった一文字”で知的財産権侵害に。アカウント停止の恐怖と戦った僕の全記録と対策

副業でAmazon物販を始めて3年。 コツコツと育ててきた売上が、ようやく安定してきた、そんなある日のことでした。
いつものようにセラーセントラルを開くと、見慣れない警告が。 「アカウント健全性評価に影響する可能性のある出品情報」
胸がざわつくのを感じながらクリックすると、そこには信じられない言葉が並んでいました。 「知的財産権侵害の疑い – 商標の不正使用」
この記事は、そんな絶望的な状況から、私がどう考え、どう行動し、そして何を学んだのか。その一部始終を記録した、同じようにAmazonの理不尽と戦う、あなたへの手紙です。
悪夢の始まり。アカウント健全性に光る「警告」の文字
本業の傍ら、寝る間を惜しんでリサーチし、梱包・発送してきた私にとって、アカウントの健全性は命綱。そこに傷がつくことは、死活問題です。
「一体、何の商品で、どんな違反を…?」 慌てて詳細を確認した私は、次の瞬間、怒りを通り越して、もはや笑うしかありませんでした。
違反の対象商品は、ある有名メーカーの電動工具のアクセサリーパーツ。 そして、知的財産権を侵害していると指摘された文字列は…。
ありふれた、たった一文字の『アルファベット』でした。
違反理由は、ありふれた”アルファベット一文字”。私が怒りと絶望を感じたワケ
「ウソだろ…?」 思わず、PCの前で声が出ました。
私が出品していたのは、例えば「MAKITA TD173DRGX用 純正ケース」といった商品です。 この「TD173DRGX」という製品型番に含まれる、たった一文字が、商標の不正使用にあたる、と。
いや、待ってくれ。 製品型番を書かずに、どうやってその機種専用のアクセサリーを売れというんだ。 「TD173DRGX」のケースを探しているお客様は、どうやってこの商品にたどり着けるんだ。
これは、例えるなら「iPhone 15 Pro Max用ケース」という商品名で、「P」という文字を使うなと言われているようなもの。ビジネスとして、到底成り立ちません。
3年以上Amazonで販売してきて、こんな馬鹿げた警告は初めてでした。 「Amazonは、本気で私たちセラーを舐めているのか?」 そう思わずにはいられませんでした。
無力なテクサポ、迫る修正期限。私が”Amazon撤退”を考えた夜
すぐに、テクニカルサポートに電話しました。 しかし、返ってくるのは「調査します」という、いつもの言葉ばかり。
一方で、アカウント健全性の画面では、「24時間以内に修正してください」という無慈悲なカウントダウンが進んでいく。
Amazonからの返事を待っていては、アカウントの評価が下がる。 評価が下がれば、最悪、アカウント停止のリスクもある。
「もう、やってられるか…!」
私は、泣く泣く警告を受けた商品を、すべて削除しました。 売上の柱だった商品たちが、次々と出品一覧から消えていく。 心が、ポッキリと折れた音がしました。
「いっそ、もうAmazonは辞めてしまおうか」 本気で、そう考えた夜でした。
「自分だけじゃなかった」コミュニティで見つけた”絶望の中の光”
眠れない夜、藁にもすがる思いでセラーフォーラムを覗いてみました。 すると、どうでしょう。
「うちも『特定の文字』で30件警告が来ました」 「〇〇(特定のブランド名)関連だけ、この問題が起きる」 「今日は『〇〇』という2文字で警告が来ました…」
そこには、私と全く同じ状況で、同じように苦しんでいる仲間たちが大勢いたのです。
その時、私は気づきました。 これは、私個人が狙い撃ちされているわけじゃない。 Amazonの巨大なシステムが起こしている「バグ」、つまり「事故」なんだ、と。
そして、経験豊富なセラーの方々の書き込みから、この理不尽な事故への向き合い方が、少しずつ見えてきました。
【重要】Amazonの理不尽な「文字狩り」から、私たちが学ぶべき3つの対策
この一件から、私が得た教訓は3つあります。 これは、Amazonで物販を続けるすべての人にとって、必ず知っておくべき「護身術」です。
対策①:感情的にならず、まずは「機械の誤作動」と捉える
私たちを判断しているのは、人間ではありません。完璧ではない、バグだらけのシステムです。 腹を立てたり、テクサポに解決を期待したりするだけ、時間と精神を消耗します。 まずは「またか。AIのやつ、ポンコツだな」と冷静に受け止め、機械的に処理する。この割り切りが、心をすり減らさないために重要です。
対策②:「検索キーワード」への入力も、もはや安全ではないと知る
「タイトルがダメなら、検索キーワードに入れればいい」 これは、かつての常識でした。しかし、今回、私自身も試しましたが、検索キーワードや商品説明に入力しただけでも、警告は来ました。
システムの検知範囲は、私たちの想像以上に広がっています。 もはや、安全な抜け道はない。警告が来たキーワードは、商品ページ全体から、一度完全に削除するしか、アカウントを守る術はありません。
対策③:Amazon一本足打法のリスク。販路を複数持つという”お守り”
これが、最も重要な教訓です。 今回の「文字狩り事件」で、私は売上の半分近くを、一瞬で失いました。 もし、私がAmazonでしか販売していなかったら…と考えると、ゾッとします。
幸い、他のECモールでも販売していたため、すぐにそちらの出品に切り替えることができました。 Amazonの機嫌一つで、ビジネスが根底から覆されるリスクは、常に存在します。 売上を分散させ、複数の販路を持つこと。 これこそが、私たちのような弱いセラーが、生き残るための最大のお守りなのです。
結論:Amazonとは”そういう場所”だと理解し、賢く付き合うしかない
公正取引委員会に報告すべきか?という声もありました。 その気持ちは、痛いほど分かります。
しかし、今の私たちができることは、Amazonという巨大なプラットフォームの理不尽さを嘆くことではありません。 「Amazonとは、そういう場所なのだ」と冷静に理解し、そのルールの中で、いかに賢く立ち回り、自分のビジネスを守るか、という視点を持つことです。
この理不尽な警告は、明日、あなたの身に、全く別の文字や記号で起こるかもしれません。 その時、この記事が、あなたの絶望を、次の一歩を踏み出すための「冷静な戦略」に変える、一助となることを願っています。