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「仕事だからやって当たり前」はもう通じない?部下から「感謝」を求められた時の上司の在り方

おっさん事業主
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部下に業務を指示し、完了した報告を受けた際、「ありがとう」という言葉をかけているでしょうか。 「給料をもらっているのだから、仕事をするのは当たり前」「やって当然のことになぜ感謝が必要なのか」と考える上司は少なくありません。

しかし、先日大手掲示板「発言小町」にて、ある上司の投稿が大きな議論を呼びました。それは、部下から面と向かって「感謝してほしかった」と言われたという事例です。

今回は、このトピックを元に、現代の職場における「感謝」の機能と、世代や価値観による認識のズレについて解説します。

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「業務遂行=当然」vs「貢献=承認」のギャップ

当該トピックの投稿者は、部下に対して必要な業務指示を行いました。しかし、部下は仕事の完了後に「感謝の言葉がなかったこと」に対して不満を漏らしました。投稿者からすれば「それはあなたの業務範囲内であり、やって当たり前のこと」ですが、部下にとってはそうではありませんでした。

ここで起きているのは、仕事に対する根本的な認識のズレです。

  • 従来の上司の論理
    • 労働の対価は「給与」で支払われている。業務遂行は義務であり、感謝はその都度発生するものではない。
  • 部下(特に若手)の論理
    • 給与は基本契約だが、日々の労働はチームへの「貢献」である。貢献に対してフィードバック(感謝・承認)がないと、自分の存在意義や成果が認められていないと感じる。

この部下が求めていたのは、単なるお礼の言葉というよりも、「自分の仕事が役に立ったという確認(承認)」であったと言えます。

「感謝」は甘やかしではなく、最強の潤滑油

「いちいち感謝するのはご機嫌取りのようで抵抗がある」と感じる人もいます。しかし、ビジネスにおける感謝を「感情的なサービス」ではなく「マネジメントスキル」として捉え直す必要があります。

心理学や組織論において、「心理的安全性」「承認欲求」の充足は、パフォーマンス向上に直結する要素です。「ありがとう」「助かった」という一言は、コストゼロで部下のモチベーションを維持し、離職を防ぐための最も効率的なツールです。

「感謝してほしかった」という言葉は、裏を返せば「私はこの組織でもっと役に立ちたい」「自分の価値を認めてほしい」という意欲の裏返しでもあります。これを「甘え」と切り捨てることは、部下のやる気を削ぐリスクになりかねません。

上司が取るべき「大人の対応」とは

部下から感謝を要求されることに違和感を覚えるのは無理もありません。しかし、そこで正論(仕事だから当然)を振りかざしても関係は悪化するだけです。

リーダーとして取るべき行動は以下の2点です。

  1. 事実(完了)に対してフィードバックする
    • 「ありがとう」が言いづらい場合は、「確かに受け取った」「早くて助かる」「正確にできていた」など、仕事の質やスピードに対する評価(承認)を言葉にします。これも広義の感謝と同じ効果を持ちます。
  2. 感謝のハードルを下げる
    • 「ありがとう」を「賞賛」だと思わず、挨拶の一種だと割り切ることです。メールの文末に「お疲れ様です」と書くのと同じ感覚で、タスク完了時に「ありがとう」を添えるだけで、チームの空気は劇的に改善します。

「当たり前」の基準をアップデートする

かつては「黙って背中を見て学ぶ」ことが美徳とされましたが、現代の組織運営では「言語化されたコミュニケーション」が不可欠です。

部下の「感謝してほしかった」という言葉は、未熟さの露呈ではなく、「コミュニケーション不足のシグナル」です。これを機に、チーム内での承認の頻度を見直すことが、結果として上司自身の管理コストを下げることに繋がります。

参考・根拠情報

本記事は、以下のトピックおよび一般的な組織心理学の知見を基に構成しています。

  • 引用元トピック:
  • 関連する概念:
    • 承認欲求(Maslow’s hierarchy of needs)
      • 他者から価値ある存在として認められたいという欲求。
    • 心理的安全性(Psychological Safety)
      • チーム内で対人関係のリスクをとっても安全だと信じられる状態(Googleのプロジェクト・アリストテレス等で重要性が提唱されています)。
    • ストローク(交流分析)
      • 相手の存在を認める働きかけ。「ありがとう」はプラスのストロークにあたります。
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ABOUT ME
おっさん事業主
おっさん事業主
急に事業を始めた人
40代半ばに原因不明の体調不良で会社を退社し、しばらく休んでも回復する兆しがないので、出来そうなことから小さく事業を始めました。 何か大きなことを成し遂げたわけではないですが、事業をやってみて気が付いたことを、記録として残していきます。
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