「出品やめろ」のメールと、届かない注文──Amazonで“見えない攻撃”にさらされたセラーたちの現実

Amazonで販売を始めたとき、まさか“商品を売る”こと以外で、こんなにも神経をすり減らす日が来るとは思っていませんでした。
商品の仕入れ、ページの作りこみ、レビューの対策――
そんな努力をよそに、ある日突然やってくる“悪意ある行為”。
- 「商品を出品するな」という権利者を名乗る謎のメール
- 注文が入ったと思ったら、配送できない住所に送るよう仕向けられる
- キャンセルすれば自分のアカウントが傷つき、送れば商品を失う
これは、Amazonセラーであれば他人事ではない。今回は、私自身や周囲の体験を通じて、“見えない攻撃”の実態と、どう向き合えばいいのかをお伝えします。
「この商品を出品するな」──謎の“権利者”からの連絡
Amazonで出品を始めたばかりの頃、私に届いたのは「この商品は当方が運営している。今すぐ出品を取り下げろ」というメッセージ。
差出人は“権利者”を名乗っており、あたかもブランド保有者の代理人のような口調でした。
正直、怖かったです。
「通報されたらアカウント停止になるかもしれない」と思い、慌てて出品を停止しました。
でも冷静に読み返してみると、日本語に違和感があったり、内容に曖昧さが残っていたり。
そのうち、同じアカウントから別人を名乗って、また別の商品に同じ警告をしてくるようになったんです。
そこでやっと「これはスパム的な嫌がらせかもしれない」と気づきました。
「住所が不完全な注文」──競合からの見えない罠
また別の日。今度は競合らしきアカウントから注文が入りました。
ですが、その配送先は明らかに不完全な住所。
問い合わせても返事はなし。
カスタマーサポートに相談すると、「出荷するか、自主的にキャンセルするか」の2択。
自主キャンセルすれば出荷遅延扱いとなってアカウントに傷がつくし、送れば商品を失って赤字になる。
つまり、どちらを選んでも損をする状況に陥るわけです。
これはもう、悪意ある注文=攻撃の一種と言っていいでしょう。
嫌がらせや脅しに屈しないために
こうした攻撃にどう対処すればいいのか?
私自身、悩み、迷い、そして少しずつ“対応できるように”なっていきました。
以下はその中で学んだ、最低限の防衛術です。
1. 「本物かどうか」はAmazonサポートで確認
メールだけでは判断が難しい場合、ケースを開いてAmazonに確認を取ることが基本です。
2. 「報告」は遠慮せず行う
Amazonには、不正行為や違反の報告フォームがあります。確信が持てなくても、疑わしい場合はまず通報を。
3. 発送方法を見直す
自社出荷の場合は、「対面受け取り」や「記録付き配送」を活用することで、証拠を残すようにしましょう。万が一のトラブル時に有効です。
4. 冷静に読み、検索する
同じような文面が他の出品者にも届いていないか、ネット上で検索するだけでも判断材料になります。
負けたくないから、知識で武装する
Amazonで販売を続けていると、「売れること」だけを考えていた頃には想像もつかないトラブルに巻き込まれます。
でも、それは決してあなたが悪いからではありません。
むしろ、売れ始めて目立ってきたからこそ、標的になることもある。
だからこそ、必要なのは“疑う力”と“冷静さ”、そして“相談する勇気”です。
一人で抱え込まず、正しい情報とサポートを使って、あなた自身のビジネスを守ってください。
まとめ
- Amazonでは、競合による嫌がらせ的注文や、権利者を装った通知が実在する
- どちらも「無視できないが、鵜呑みにもできない」グレーな問題
- Amazon公式サポートへの確認・通報・記録が、自衛手段になる
- セラーとして活動するには、“販売以外の知識”も不可欠
- 不安でも、行動しながら覚えれば、強くなれる