なぜあなたの「マケプレ保証・異議申し立て」は通らないのか?Amazonセラーが知らない3つの落とし穴

「購入者が壊したのに、なぜ、私の売上から全額返金されるんだ…」
Amazonマーケットプレイス保証によって、理不尽な返金が強制的に実行され、あなたが送った証拠もむなしく、異議申し立ては「却下」される。
その、怒りと、絶望と、Amazonという巨大なシステムに対する無力感。もし、あなたが今、その渦中にいるのなら、この記事は、そんなあなたのための“戦友”からの手紙です。
これは、実際に私も経験した、あまりにも理不尽な返金トラブルの一部始終です。そして、なぜ私たちの正当な主張がAmazonに届かないのか、その「異議申し立てが通らない、3つの構造的な理由を、あなたにだけ、そっとお教えします。
もう、一人で泣き寝入りする必要はありません。

それ、私じゃん…と思った方へ
- お客様が壊したのに「不良品だから返金して」と言ってきた
- しかも返送は着払い。連絡もなく商品が届いた
- 返金は拒否したのに、Amazonが勝手に返金処理
- 異議申し立てしたのに、「唐突に返金開始のメール」だけ
- 商品代+送料、まるっと損
これは実際に私が体験した話。
Amazonセラーとしてやっていく以上、避けて通れない“あるある”です。
でも、この経験を共有すれば、あなたが同じ轍を踏まずに済むかもしれない。
そう思って、この記事を書いています。
基本「購入者ファースト」だから覚悟しよう
マーケットプレイス保証制度とは、簡単に言えば「購入者を保護するための保険制度」。
その結果どうなるかというと、セラーの主張より、購入者の主張が優先されやすい構造になっています。
たとえお客様の過失でも——
- 「届いたけど壊れてた」
- 「使ってみたけど壊れた。不良品かも」
- 「思ってたのと違った。返品したい」
このような主張があれば、Amazonは購入者側に返金してしまうケースが多いんです。
異議申し立てが通らない3つの理由
①「返品を了承した」とみなされている
返金の可否に関わらず、返品を認めてしまった時点で返金処理の対象になりやすい。
メッセージの中に「返品はできません」と明言していないと、Amazonが勝手に「返品OKだな」と判断する場合も。
② 商品を受け取ってしまった
着払い返品を受け取った時点で、返金義務が発生します。
そのまま異議申し立てしても、「返品済みの商品なので返金対象です」と扱われてしまうのが現実。
③ Amazonは異議申し立ての理由を基本教えてくれない
Amazonのカスタマー対応では、異議申し立ての不承認理由を明示しないのが普通です。
どれだけキャプチャや証拠を添えても、「〇〇が問題で却下されました」とは教えてくれません。
これから取るべき3つの行動
① 返金方針を事前に明確に伝える(テンプレ推奨)
お客様対応で使える例文:
「本商品はご使用後の破損につきましては返品・返金を承っておりません。
また、着払いでのご返送は一切お受けできませんのでご了承ください。」
これをメッセージと商品ページ両方に明記しておくと、トラブル予防になります。
② 着払い返品は「拒否」が原則
受け取ってしまったら最後です。
返送されてきても受け取りを拒否し、宅配業者に返送してもらいましょう。
(※ただし、これをやりすぎるとAmazonからポリシー違反とされる可能性もあるので、高額品や悪質案件に限定しましょう)
③ 想定損失を「5%」として経費扱いする感覚を持つ
理不尽な返金はどうしてもゼロにはできません。
だから私は、月の粗利の5%は“事故経費”として計上するようにしています。
セラーにとっての「戦略的あきらめ」とは?
これまでで一番響いた言葉があります。
「不正な返品にいちいち怒ってたら、利益を守れません」
― ベテランセラーの言葉より
理不尽にはムカつきます。でも、ムカつくほど損してる時間がもったいない。
Amazonでビジネスをする以上、
「これは戦わずに流すべき案件」
「ここはきちんと異議を申し立てて対処すべき」
という判断軸を持つことが、成功するセラーの共通点です。
それでも私たちはやめない
「マーケットプレイス保証、ほんと納得いかん…」
「何でAmazonはセラーより購入者ばっかり守るんだよ…」
——そんなふうに何度も思いました。
でも、
「それでも自分の商品を手に取ってくれる人がいる」
「1人でもファンになってくれるお客様がいる」
そう思うから、続けています。
そしてあなたも、たぶんそうじゃないですか?
今は小さな売上かもしれません。
でも一緒に、一歩ずつ大きくなっていきましょう。
今日の損失は、未来の成長の“授業料”です。
負けずにがんばるセラー仲間へ、心からのエールを送ります。
まとめ
今回は、Amazonマーケットプレイス保証という、セラーにとって最も理不尽な制度の一つと、どう向き合っていくべきか、その具体的な対応策と心構えについて、私の実体験を基にご紹介しました。
この経験から私たちが学ぶべき最も重要なことは、「Amazonの土俵で戦う以上、感情論は一切通用しない」という、厳しい現実を受け入れることです。そして、その上で、自分のビジネスと心を守るための「戦略」を持つ必要があります。
最後に、理不尽な損失からあなたを守る「3つの防衛術」を、もう一度、心に刻んでください。
- 「返品の初期対応」で、主導権を渡さない
- 安易に返品を了承するメッセージを送らない。「お客様都合の破損は返金対象外です」と、先手を打って明確に伝えること。
- 「着払い返品」は、断固として受け取らない
- 一度受け取ってしまえば、それは「返品を認めた」という既成事実になります。高額商品や悪質なケースでは、受け取りを拒否する勇気も必要です。
- 理不尽な損失を「戦略的経費」として、諦める
- これが、最も重要な“心の防衛術”です。月の利益の数パーセントを、最初から「事故経費」として計上しておく。個別の案件に心をすり減らすのではなく、ビジネス全体の数字として、冷静に処理するのです。
Amazonでの販売は、時に、私たちの心を消耗させます。しかし、それでも、あなたの商品を待っているお客様がいます。この理不尽を「授業料」と捉え、より強く、賢いセラーへと成長していく。そんな、すべての“戦う仲間”に、心からのエールを送ります。