Amazon出品者の苦悩:マーケットプレイス保証とQCB5火災がもたらす二重の試練

「え?壊れてないのに、返金?」——それ、私たちの現実です。
Amazonマーケットプレイスで販売していると、一度は経験するであろう“理不尽な返金対応”。
「初期不良だった」「思っていたのと違う」──お客様の申請ひとつで、数千円から数万円の商品が“返金対象”となるのは日常茶飯事。
けれど、返送された商品を確認してみると…
「どこにも不具合なんてない。新品同様じゃないか。」
そんな“あるある”に、あなたも心当たりはありませんか?
Amazonマーケットプレイス保証の落とし穴
Amazonでは、購入者保護の観点から「マーケットプレイス保証」という制度があります。
この制度では、購入者が「不良品だった」「商品説明と違った」と申請すると、Amazon側が審査を行い、条件を満たすと判断されれば全額返金されます。
…とはいえ、その“審査”が問題。
実際には、返送された商品が
- 動作確認済み
- 異常なし
- 外観もきれい
であっても、セラー側の説明が通らず、全額返金となってしまうケースが後を絶ちません。
とくに衛生用品や精密機器のように、再販が難しい商品を扱う場合は、損失はさらに深刻です。

実際の声:「納得できない。でも戦えない…」
セラーフォーラムには、同じような悩みを抱える声が数多く寄せられています。
「返品された商品を検品しても、不具合なんてどこにもなかった。それでもAmazonは“購入者が正しい”と判断した」
— 衛生用品を扱うセラー
「運送中の破損かと思いきや、実物はまったくの無傷。けれど“違った”という理由で返金に」
— 電子機器を扱うセラー
「FBAだとAmazonが内容を確認しないので、セラー側が証明するすべがない。悔しいけれど泣き寝入り」
— 精密機器をFBA利用中のセラー
「売れる」だけでは足りない。守りも必要な時代へ
Amazonという巨大プラットフォームを活用する以上、一定のリスクは避けられません。
けれど、「仕方がない」で終わらせてしまえば、セラーの努力や信用は守れません。
これからの時代は、
「売れる」だけでなく「守れる」販売戦略が必須です。
対策と提案:セラーが今できること
1. 返品条件を明確に記載する
「初期不良対応の条件」「開封後の対応」「衛生品の再販可否」などを、商品ページにしっかり明記しましょう。トラブル時、証拠として重要です。
2. 高単価・繊細商品はFBAを避け、自社出荷に切り替える
FBAでは返品理由の審査が甘く、セラー側の主張が通らないこともあります。
自己出荷なら検品と対応の裁量を持てます。
3. 証拠を必ず残す
商品の写真・シリアル番号・発送時の状態記録など、客観的な証拠を残すクセをつけましょう。
不当申請があった際の盾になります。
4. 悪質なケースは、毅然とした対応を
あきらかに理不尽な返品・虚偽の申請に関しては、Amazonにエスカレーション申請、必要に応じて法的措置も検討の余地があります。
売るだけじゃ、もう通用しない。
誰よりも誠実に商品を届けたつもりが、
“泣き寝入り”という形で返ってくる。
そんな経験をしたことがあるのなら、あなただけじゃありません。
だからこそ、いま必要なのは
- 正しい知識
- 冷静な対応
- セラー同士の知恵の共有
Amazonで戦うすべてのセラーに、「守る力」が求められています。
QCB5(相模湖FC)倉庫で火災発生中
2025年5月17日夜、相模原市中央区のAmazon相模湖FC(QCB5)倉庫で火災が発生しました。4階から出火し、消防が出動したとの報告があります
影響と現状
- 一部在庫が「入出荷作業中」「フルフィルメントセンター処理中」のステータスに変更
- 対象商品は、出荷・返送・廃棄が一時停止され、現在調査中
- 相模湖FCの処理停止は、他倉庫への負荷にもつながっているという報告も
筆者の体験談
筆者も同倉庫に商品を預けており、火災後に数点が「入出荷作業中」ステータスになりました。在庫が止まり、販売機会を逸し続けています。Amazonからは「7月のセール終了後に在庫確認し、出品再開または補償を判断する」と説明がありました。
補償の現実と覚悟
倉庫火災による破損対象と判断されれば補償はありますが、Amazon基準により原価分ベースで、さらに掛け率によって減額されます。売上ではなく原価のみの補償となるため、そのリスクを再認識し、覚悟が必要です。


あの日、すべてが燃えた──私自身が直面した“損失”のリアル
- 202X年X月、倉庫が火災に見舞われ、一瞬で在庫・設備の多くを失いました。
- 商品のすべてに保険が適用されるわけではなく、数百万円に及ぶ損失を自己負担することに。
- 補償手続きの煩雑さ、再起のために必要な資金と心の準備——「物を売る」ことが、どれだけリスクと隣り合わせかを痛感しました。
Amazonの返品制度は、火事と同じくらいの“損失”を生む可能性がある
- 火災のように「目に見える損害」ではないけれど、Amazonのマーケットプレイス保証の一件一件がじわじわとダメージを蓄積させていく。
- “壊れていないのに返金”“戻らない商品”──無自覚な制度によって、セラーの生活が崩れていく構造。
それでも、私はやめないと決めた
- 火事を乗り越え、Amazonの制度の理不尽さを受け止めてもなお、前を向いて商売を続けると決めました。
- なぜなら、この仕事が好きだから。そして、喜んでくれるお客様がいるから。
最後に伝えたい。セラーが“生き残る”ために必要なのは、「覚悟」と「つながり」
- このブログが、同じように苦しんでいるセラーの「共感」と「気づき」につながってくれたら。
- 理不尽に泣かされることもあるけれど、それでもやっていく力を、仲間とともに持てたら。

初心者向けQ&A:Amazonマーケットプレイス保証とQCB5火災によるセラーリスク
Amazon出品者として直面しやすい「理不尽な返金」と「倉庫火災」の二重リスクを、初心者向けに整理しました。
Q1. マーケットプレイス保証って何?
A. 購入者が「不良品だった」「商品説明と違った」と申請した場合、Amazonが審査し、条件を満たせば全額返金される制度です。
注意点: 返送された商品に異常がなくても、Amazonが「購入者の申請を優先」と判断すれば、セラーの主張は通らず全額返金になることがあります。
Q2. どんな商品が特にリスクが高い?
A. 衛生用品や精密機器など、再販が難しい商品は返金されると損失が大きくなります。
対応策: 高単価・繊細な商品はFBAより自社出荷に切り替え、検品・対応の裁量を持つことが望ましいです。
Q3. 返品トラブルに備えるために今できることは?
- 商品ページに返品条件を明確に記載
- 商品の写真・シリアル番号・発送状態など証拠を残す
- 不当な申請にはエスカレーション申請や法的措置も検討
Q4. QCB5火災ってどう影響するの?
- 倉庫火災により、在庫が「入出荷作業中」などのステータスで止まる
- 出荷・返送・廃棄が一時停止され販売機会を失う
- 補償は原価ベースで減額される可能性がある
ポイント: 売上ではなく原価しか補償されないことを理解して、在庫リスクを常に意識する必要があります。
Q5. 二重のリスクに対してセラーは何をすべき?
- 返金対応の記録を残す
- 高リスク商品はFBAではなく自己出荷
- 保険や在庫分散を検討して、倉庫事故への備えも行う
- セラー同士で情報を共有してリスク回避策を学ぶ
「この場合はどうなるの?」3つの疑問
Q:返金されたけど商品は新品同様。再販は可能?
A. 衛生用品や精密機器の場合、Amazonは再販不可と判断することが多く、返品後に再出品できないことがあります。自己出荷であれば、検品して条件付きで再販も可能ですが、FBAでは再販不可になるケースを前提に計画してください。
Q:QCB5火災で自分の在庫が被害を受けた場合、補償が遅れたらどうする?
A. 補償が遅れる間は在庫不足で販売機会を逃すリスクがあります。事前に保険加入や他倉庫への分散納品を検討すると、販売停止による損失を最小化できます。Amazonの対応は原価ベースなので、売上減をカバーする準備も必要です。
Q:理不尽な返金が続く場合、戦う価値はあるの?
A. ケースバイケースです。低額商品や証拠が不十分な場合は戦っても手間と時間の方が大きくなることがあります。
ただし、高額商品や悪質な申請であれば、エスカレーション申請や法的措置で回収できる可能性があります。証拠の確保が重要です。
- 返品条件・再販可否を商品ページに明記
- 証拠写真・シリアル番号・発送記録を残す
- 高リスク商品はFBAでなく自己出荷
- 倉庫事故リスクに備え保険や分散納品
- 不当申請や理不尽対応にはエスカレーション申請