会社員・個人事業主のための「営業電話」撃退マニュアル|丁寧なのに、二度とかかってこない断り方

知らない番号からの着信。恐る恐る出てみると、早口でまくし立てるセールストーク…。 「忙しいのに…」「どうやって断れば角が立たないんだろう…」 そんな、日々の業務を蝕む「営業電話」との不毛な戦いに、あなたも疲弊していませんか?
「検討します」と曖昧に返事をして、何度もかかってくる。無言で切るのは、さすがに気が引ける。
この記事は、そんなあなたのための「営業電話・完全撃退マニュアル」です。
会社員としてスマートに会社の窓口を守る方法から、特に狙われやすい個人事業主や副業ワーカーが、金融、SEO、広告といった典型的な営業を「二度とかかってこないように」断るための具体的なフレーズまで。
もう、営業電話にあなたの貴重な時間と気力を奪われる必要はありません。

営業電話の基本対応:早めに要件を聞き出す
営業電話は話が長引く傾向があります。まずは丁寧に要件を確認しましょう。
- 「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか?」
- 「失礼ですが、具体的に用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
これにより、「こちらが業務中である」「話に乗る余地がない」ことを伝えやすくなり、無駄な会話を避けられます。
明確かつ丁寧に「不要」の意思を伝える
曖昧な断り方は「検討したい」という受け止められ方をしやすく、再度連絡される可能性があります。「不要」であることを明確に伝えましょう。
- 「申し訳ございませんが、弊社では新規のお取引は控えさせていただいております」
- 「現在、全ての営業電話はお断りするように言われております」
こちらは社内方針としての対応であることを伝えることで、個人的な拒否感を和らげつつ断る効果があります。
今後の営業を防ぐ一言を添える
再度の営業連絡を防止するには、こちらから連絡する旨を伝えるのが効果的です。
- 「必要になりましたら改めてこちらからご連絡いたしますので、今後のご連絡はご遠慮願えますか?」
これにより、以後の無駄な電話を回避しやすくなります。
会話を終わらせるフレーズ
丁寧に断った後、こちらから話を切り上げる言葉で通話を終了させましょう。
- 「お電話いただきありがとうございました。失礼いたします。」
クッション言葉で柔らかく丁寧に対応
断りの言葉が厳しくなり過ぎないように、常に「クッション言葉」を活用することをおすすめします。
- 「申し訳ございませんが」、「恐れ入りますが」、「せっかくお電話をいただきましたが」など
社内マニュアル化&対応体制の整備も重要
営業電話の対応に迷わないよう、明確なフローを社内・グループで共有しておくと安心です。
- 「最初に名乗ってもらう」、「用件確認」、「断る言葉」、「通話終了方法」のように段階を決めておく
- 応対を統一することで新入社員でも迅速かつ適切に対応でき、業務効率もアップします
断り方まとめ表
シーン | 例文内容 |
---|---|
要件確認 | 「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか?」 |
不要を伝える | 「弊社では新規お取引は控えております」 |
今後を断る | 「必要な場合はこちらから…ご連絡は不要です」 |
会話を終える時 | 「お電話ありがとうございました。失礼いたします」 |
柔らかく断る | 「申し訳ございませんが…」「恐れ入りますが…」 |
副業・個人事業主向け|営業電話の断り方

特に副業を始めた人や個人事業主になると、
- 「投資や保険で将来の安心を」
- 「SEO対策で売上アップできます」
- 「今より安く通信料を下げられます」
といった営業電話が急に増えてきます。
しかし、正直すべてに付き合っていたら時間も気力も奪われてしまいますよね。
大切なのは、角を立てずに、でも二度とアプローチされないように断ること。
副業や個人事業主が狙われやすい6つの営業電話の断り方を具体的な例文つきで解説します。
1. 金融・保険商品の営業
特徴:投資や保険の勧誘が多く、将来のリスクや利益を強調してくる。
断り方例:
- 「現在は別の方法で資産管理を行っておりますので、新規契約は考えておりません」
- 「顧問の方に一任しており、自分では判断できません」
ポイント:専門家や既存契約を理由にすることで、それ以上の提案を封じやすい。
2. ホームページ制作・SEO対策営業
特徴:集客アップや検索順位改善を強調。
断り方例:
- 「すでに他社様にお願いしており、今後も継続予定です」
- 「現状の集客方法で十分ですので、新規契約は控えております」
ポイント:外注先が決まっていることを伝えると、食い下がられにくい。
3. 電話回線・通信サービスの営業
特徴:コスト削減や通信速度向上をアピール。
断り方例:
- 「契約はすべて事務所管理で、変更権限は私にはありません」
- 「現状の契約期間が終了するまでは変更できません」
ポイント:契約上の制約を理由にすることで、すぐに終話しやすい。
4. 広告・メディア掲載営業
特徴:雑誌・Web・ポータルサイト掲載の提案。
断り方例:
- 「広告はすべて予算内で計画的に行っております」
- 「現在の規模では広告を打つ予定がありません」
ポイント:予算や計画を理由にすると、再アプローチも防ぎやすい。
5. セミナー・講習会勧誘
特徴:スキルアップや経営改善をテーマにする。
断り方例:
- 「今は本業と副業で手一杯で、参加の時間が取れません」
- 「必要があればこちらから申し込みます」
ポイント:「時間がない」+「必要時は自分から」の組み合わせが有効。
6. 法人化・節税コンサルティング
特徴:法人化や税務対策の提案。
断り方例:
- 「顧問税理士にすべてお任せしています」
- 「今の事業規模では法人化の予定はありません」
ポイント:専門家の存在を理由にすれば食い下がられにくい。
ケース別断り方早見表
営業内容 | 主な特徴 | 断り方の軸 | 例文 |
---|---|---|---|
金融・保険 | 将来性・利益強調 | 既契約・専門家任せ | 「顧問に一任しています」 |
ホームページ制作 | 集客・SEO改善 | 他社対応中・現状満足 | 「他社様にお願いしています」 |
電話・通信 | コスト削減・速度向上 | 権限なし・契約期間中 | 「契約期間が終了するまで変更できません」 |
広告・メディア掲載 | 掲載で集客強化 | 予算固定・予定なし | 「今の規模では広告予定はありません」 |
セミナー勧誘 | スキルアップ・人脈作り | 時間なし・必要時連絡 | 「必要があればこちらから申し込みます」 |
法人化コンサル | 節税・規模拡大 | 専門家任せ・予定なし | 「法人化の予定はありません」 |
迅速・丁寧・明確に対応する
営業電話は、その内容が不要であれば「丁寧・かつ明確」に断ることがビジネスマナーの要です。
ポイントは以下の通り:
- クッション言葉を活用
- 「不要」の意思をはっきり伝える
- 「必要な時こちらから連絡」を明言
- 会話を締める一言を忘れずに
対応方針をあらかじめ決めておけば、電話ごとにストレスを感じることも減り、業務に集中できるようになります。
初心者向けQ&A:営業電話の断り方
Q1. 営業電話はどう対応するのが基本?
A. まずは早めに要件を確認しましょう。
「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか?」と聞けば、長引く会話を防ぎつつ、断るきっかけも作りやすくなります。
Q2. 「断りたい」と思ったら、どう伝えればいいの?
A. 曖昧な言い方はNGです。「不要」の意思をはっきり伝えましょう。
例:「申し訳ございませんが、弊社では新規のお取引は控えております」
Q3. また同じ会社から電話がかかってきたら?
A. 「必要な場合はこちらからご連絡します」と伝えるのが有効です。
→ 「今後のご連絡はご遠慮いただけますか?」と添えると、再度の営業を防ぎやすくなります。
Q4. 電話をスムーズに終わらせたいときは?
A. クッション言葉+お礼で締めるのがベストです。
例:「せっかくお電話いただきましたが、必要になりましたらこちらからご連絡します。本日はありがとうございました。失礼いたします。」
Q5. 個人事業主や副業でも営業電話が増えるのはなぜ?
A. 登記やネット上の情報から連絡先が知られてしまうためです。金融・保険・SEO対策・広告・通信サービスなど、狙われやすいジャンルがあります。
「この場合はどうなるの?」3つの疑問
- Q. 電話がしつこくて何度もかかってくる場合は?
- A. 会社名を控えた上で「今後一切のご連絡はお断りいたします」と伝えましょう。悪質なら着信拒否や消費生活センターへの相談も有効です。
- Q. 相手が強引で怖いときはどうしたらいい?
- A. 一人で対応せず「担当部署におつなぎします」「責任者が不在です」と繰り返すのも手です。無理に会話を続ける必要はありません。
- Q. 「検討します」と言ってしまった場合は?
- A. 相手に「見込みあり」と思われて再度かかってきます。次回からは「不要」「今後の連絡は不要」と明確に伝えることが大切です。
まとめ
今回は、多くのビジネスパーソンを悩ませる「営業電話」に対して、丁寧かつ毅然と、そして二度とかかってこないように断るための、具体的なテクニックとフレーズをご紹介しました。
大切なのは、感情的になることではなく、「断るための明確なルールと、型(テンプレート)を準備しておくこと」です。
最後に、あなたの時間と心の平穏を守るための「3つの黄金律」を、もう一度心に刻んでください。
- 曖昧な期待はさせない。「不要」の意思を、明確に、しかし丁寧に伝える
- 「検討します」はNGワード。「新規のお取引は控えております」など、会社のルールとして伝えるのがスマートです。
- 断る理由は「自分以外」のせいにする
- 会社員なら「社の方針で」。個人事業主なら「顧問税理士に任せています」「既存の契約があります」。自分に決定権がないと伝えることで、相手はそれ以上、食い下がれなくなります。
- 未来の主導権を、こちらが握る
- 「必要になった際は、こちらからご連絡しますので、今後のご連絡は不要です」。この一言が、しつこい再アプローチを防ぐ、最強の“防波堤”となります。
このマニュアルを「お守り」として、明日からの営業電話を、ストレスなく、15秒でスマートに撃退してください。そうして守られた時間と集中力こそが、あなたのビジネスを前進させる、最も重要な資産です。