株式投資は難しく考えすぎない。感情を排除する「20/25ルール」トレード術
株式投資というと、企業分析やチャート分析、経済指標など、難しいことをたくさん勉強しなければいけないと思われがちです。
もちろん、企業の業績や将来性を調べることは大切です。しかし、実際に株を保有した後、もっと重要になるのが「いつ利益を確定するのか」「どこまで下がったら損切りするのか」という売買のルールです。
少額(12万円)から大きな資産(1,000万円)を築いた実績(数字は仮想)に基づく、極めて実践的なルール。それが、株式投資において最も失敗しやすい「感情的な売買」を排除する「20/25 トレード・システム」です。
大切なのは、株価の上下に一喜一憂して、その場の感情で売買しないこと。今回は、このシンプルかつ強力なルールの全貌を解説します。
そもそも「20/25ルール(コアルール)」とは?
トレードの軸となるエグジット(出口)戦略です。この数値を事前に設定することで、売買の迷いをなくします。
- 利確ライン:購入価格から「+20%」(確実に利益を確定させ、欲張らない)
- 損切ライン:購入価格から「-25%」(これ以上の致命傷を防ぎ、資金を守る)
例えば、1株1,000円の株を購入したとします。
| 判断 | 株価(目安) | 購入価格からの変化 |
|---|---|---|
| 利益確定 | 1,200円 | +20% |
| 損切り | 750円 | −25% |
1,000円で購入した株が1,200円になれば、1株あたり200円の利益。反対に、750円まで下落した場合は、1株あたり250円の損失になります。このように、購入する段階で利益確定と損切りの基準を決めておくのが基本です。
重要なのは、毎回完璧に予想することではありません。予想が外れた場合でも損失を一定の範囲に抑え、利益が出た場合には確実に手元に残すことです。
株価が下落したときのアクションプラン(防衛と仕込み)
株価が下がったからといって、すぐに売却する必要があるとは限りません。含み損が拡大するほど元の価格に戻るためのハードルは高くなる(※25%下落すると、元に戻るには約33.3%の上昇が必要)ため、下落率ごとに「パニック売り」や「無計画なナンピン」を防ぐフェーズ別対応を決めておきます。
① 【-5%】静観・分析フェーズ
- 行動: 何もしない。慌てて売買せず、値動きと下落理由を確認する。
- 思考: まず値動きの癖と、下落の「理由(地合いか、個別要因か)」を冷静に分析します。5%程度の下落だけで、当初の投資判断が間違っていたと決めつけるのは早すぎます。日経平均などの市場全体や同業他社も下がっていないか、決算に悪い変化がないかを確認しましょう。
② 【-15%】ファンダメンタル確認フェーズ
- 行動: 投資理由を再確認し、買い増し(打診買い)を検討する。
- 思考: 業績や当初の「投資シナリオ」が崩れていないか再確認します。シナリオが健在なら安く買えるチャンスとなります。
💡 買い増しの判断基準
- 検討できるケース: 市場全体の下落に巻き込まれただけ、業績予想に変更なし、成長材料が残っている。
- 慎重に考えるケース: 業績下方修正、主力事業の悪化、不祥事など企業価値を損なう問題の発生。
安くなったから買うのではなく、「投資した理由がまだ成立しているから買う」という違いを忘れないでください。
③ 【-25%】最終判断・撤退フェーズ
- 行動: 原則は損切り。追加投資は極めて慎重に判断する。
- 思考: 「反発するだろう」という期待や祈りだけで資金を追加してはいけません。含み損を放置する悪習をここで断ち切り、機械的な撤退ラインとして機能させます。
株価が上昇したときのアクションプラン(利益の最大化と保護)
株価が上昇すると「もっと利益が増えるのでは」と期待してしまいますが、含み益は売却するまで確定した利益ではありません。「早すぎる利確」や「高値掴み」を防ぐための対応です。
④ 【+5%】トレンド確認フェーズ
- 行動: 基本的に保有を継続する。
- 思考: 短期的な値上がりだけで売却すると、その後の上昇を取り逃がします。好決算やテーマ性など、上昇の理由が継続的なものかを確認しましょう。
⑤ 【+15%】忍耐フェーズ
- 行動: 保有を継続する。焦って買い増し(追撃買い)はしない。
- 思考: 利益が乗ってきても浮かれず、目標の+20%までじっと待ちます。ここで資金を追加すると平均取得単価が上がり、その後の下落で一気に利益が吹き飛ぶリスクが高まります。
⑥ 【+20%】利益確定フェーズ
- 行動: コアルールに従い+20%で利確(全株売却)。
- 思考: 確実に含み益を「実現益」に変え、資産を守り抜きます。欲を出して判断を変えないことが大切です。
⑦ 【+25%】残存株の追加利確フェーズ(応用)
- 行動: 分割利確を選んだ場合の追加利益確定。
- 思考: もし+20%で「一部売却」を選択し強い上昇に乗った場合は、一気に+25%まで伸びた段階で残りの利益確定を検討します。(※基本ルールをシンプルにするなら20%での全株売却がおすすめです)
この手法が機能する本質的な理由と、事前の準備
この「20/25 トレード・システム」が機能するのには、以下の3つの本質的な理由があります。
- 「待つべき時」と「動くべき時」の明確化(ノイズに振り回されない)
- 「お祈り投資」の強制終了(致命傷を防ぐ)
- 資金管理の徹底が前提(-15%での買い増し余力を残した配分ができる)
実践するためには、株を購入する前に利益確定と損切りの価格を計算しておくことが必須です。また、買い増しを行う場合の最大投資額もあらかじめ決めておき、最初から追加投資用の資金を分けておくことが重要です。
【裏話コラム】伝説のネタコピペを「本物のシステム」に進化させた理由
実はこの記事の冒頭で紹介した「20%ルール(利確+20%、損切-25%)」ですが、投資歴の長い方ならニヤリとしたかもしれません。
このルールの原典は、ネット掲示板(2ちゃんねる)で15年以上前に書き込まれた伝説の自虐ジョークです。
110 名前: すずめちゃん(兵庫県)[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 02:50:45.09
おまえそれじゃ失敗するわ・・・・ -5%で損切り+5%で利食いで十分 俺はこの手法で400万を12万にした
その後、この構文を使った様々な派生ネタが生まれました。
「お前ら株を難しく考えすぎ。20%ルールって知ってる?
購入価格から20%上がったら利確。25%下がったら損切り。これだけ。
俺はこの手法で400万を12万にした。」
偉そうに語っておきながら最後に大損しているという見事なオチですが、実はこのルールを「数字だけ」で機械的に実行すると、本当に資金を溶かします。 なぜなら、利確幅(+20%)よりも損切り幅(-25%)の方が大きいため、勝率がかなり高くないと数学的な期待値がマイナスになってしまうからです。
しかし、今回解説した「8つのアクションプラン」を組み込むことで、この自虐ネタは「12万を1,000万にする本物のトレードシステム」へと劇的に進化します。
途中の【-15%】で業績を確認して買い増し(取得単価を下げる)を行い、【+15%】で欲張らずに利確を待つ。つまり、単なる「数字のルール」に「ファンダメンタルの確認」と「資金管理」を肉付けすることで、勝率と期待値を一気にプラスへと反転させているのです。
ここまで最新の市場動向や注目銘柄を解説してきましたが、激動の相場で最も確実な投資先は、自分自身の「分析スキル」です。
日本最大級の総合マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」では、特定の銘柄に依存しない、一生使える「正しい投資のルール」を中立的な立場から学べます。
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最後に、忘れてはいけない8つの基本ルールを整理します。
- 5%下落: 何もしない。まず値動きと下落理由を確認する。
- 15%下落: 買い増しを検討する。業績や投資理由が崩れていないか確認する。
- 25%下落: 損切りする。反発期待だけで追加投資をしない。
- 5%上昇: 保有を継続する。上昇の理由が続いているか確認する。
- 15%上昇: 保有を継続する。焦って買い増さず、利益確定の準備をする。
- 20%上昇: 利益確定する。あらかじめ決めた売却方針を守る。
- 25%上昇: 分割利確の追加判断をする。(※一部残した場合)
- 事前の準備: 購入前に売買基準(利確・損切価格、投資上限)を決める。
株式投資で難しいのは「銘柄探し」だけではありません。「いつ売り、いつ損切るか」というエグジットの判断こそが資産形成の鍵を握ります。
※注意:このルールは利益を完全に保証するものではありません。窓を開けて急落した場合は指定価格より不利に約定することもあります。
大切なのは、毎回の売買でホームランを狙うことではなく、利益を確定し、損失を管理しながら長く投資を続けられる仕組み(マイルール)を作ることです。ぜひ、次回のトレードから「20/25ルール」を取り入れてみてください。
- 本記事の内容は、公開時点の情報を基にした投稿者個人の主観による「予想」や「考察」であり、将来の事実や結果を保証するものではありません。
- 記事内で紹介している銘柄、株価、発売時期、仕様などは推測を含みます。
- 投資や購入に関する最終的な決定は、必ずご自身で最新の企業IRや公式情報をご確認の上、自己責任で行ってください。
- ※本記事で紹介している証券会社などはPRを含みます。

