GA4で「Lanzhou(蘭州)」からのアクセスが急増する理由は?正体はスパムボット!データ汚染を防ぐ除外設定と確認ポイント
「Googleアナリティクスの訪問都市上位が、なぜか中国のLanzhou(蘭州)になっている…」 「中国で自分のサイトがバズったの?それともサイバー攻撃?」
GA4のレポートに突如現れる「Lanzhou」の正体、それは残念ながら人間ではなく「スパムボット」や「AI学習用クローラー」です。2024年から2025年にかけて多くのサイトで発生しているこの現象を放置すると、滞在時間やコンバージョン率などの大切な分析データが大きく狂ってしまう原因になります。
本記事では、なぜ「蘭州」からのアクセスが増えているのかという背景から、ボットアクセスを見分ける3つの証拠、そして正確なデータを守るための具体的な除外設定の手順までをわかりやすく解説します。ノイズを排除して、本来のユーザー行動を正しく把握しましょう。

謎の訪問者「Lanzhou」の正体とは?
結論から言うと、その正体は「スパムボット」や「AIクローラー」による非人間的なアクセスです。
2024年後半から2025年にかけて、日本の多くのウェブサイトで「Lanzhou(蘭州)」や「Singapore(シンガポール)」からのアクセスが急増する現象が報告されています。これは、あなたのサイトを実際に誰かが読んでいるのではなく、プログラムが自動でサイトを巡回している状態です。
なぜ「蘭州」なのか?
蘭州には中国の巨大テック企業(Tencentなど)のデータセンターや、AI学習用のサーバーが集中しています。
- AIの学習
- ChatGPTや中国版AIなどの学習モデルが、ウェブ上の情報を収集(スクレイピング)するために巡回しています。
- データセンターのIP
- サーバーの所在地がIPアドレスベースで「Lanzhou」と判定されるため、レポートにはその都市名が記録されます。
これがボットアクセスの証拠!ポイント3つ
本当にボットかどうかを確認するには、GA4の「レポート」>「ユーザー」>「ユーザー属性」などで以下の項目をチェックしてみてください。
- エンゲージメント時間が「0秒」
- ページを開いた瞬間にプログラムがデータを読み取るため、滞在時間がほぼゼロです。
- 直帰率が極めて高い
- 1ページだけ見て、次のアクション(クリックなど)を一切行いません。
- デバイスが「Desktop / Windows」に集中
- 特定のOSやブラウザ(古いバージョンのChromeなど)に偏っていることが多いのが特徴です。
放置していても大丈夫?サイトへの影響
実害としては、主に「データの汚染」が挙げられます。
- コンバージョン率(CVR)の低下
- 分母となる訪問者数(セグメント)がボットで水増しされるため、正確なCVRが測れなくなります。
- 平均滞在時間の短縮
- 0秒のアクセスが大量に混ざることで、サイト全体の平均滞在時間が短く見えてしまいます。
サーバーへの攻撃(DDoSなど)ではない限り、サイトが落ちるなどの実害は少ないですが、マーケティング分析には大きな支障が出ます。
Lanzhouのアクセスを除外する方法
GA4の標準機能では、これらの「進化版ボット」を完全に防ぎきれないことがあります。以下の2つのステップで対策しましょう。
1. 探索レポートで「フィルタ」をかける(おすすめ)
既存のデータを汚さずに、分析時だけ除外する方法です。
- 「探索」レポートを作成。
- フィルタ設定で 「都市 が Lanzhou を含まない」 または 「国 が China を含まない」 と設定します。
2. サーバー側(CloudflareやWAF)でブロックする
サイトへのアクセス自体を遮断する方法です。
- CloudflareなどのCDNを利用している場合、特定の国(中国)や、特定のASN(ネットワーク識別番号)からのアクセスにチャレンジ(「人間ですか?」のチェック)を課すことができます。
Googleアナリティクス(GA4)のデータを見ていて、突如として中国の「Lanzhou(蘭州)」が訪問者数トップに躍り出て困惑していませんか?
「自分のサイト、中国でバズったのかも!?」と期待したくなりますが、残念ながらその正体は人間ではありません。この記事では、なぜLanzhouが上位になるのか、その理由と対策を初心者の方にも分かりやすく解説します。
まとめ
GA4に現れる「Lanzhou」からのアクセスは、サイトの成功を示す指標ではなく、分析を邪魔する「データのゴミ(ノイズ)」に過ぎません。これに惑わされてマーケティング戦略を見誤らないことが重要です。
記事のポイントを振り返りましょう。
- 正体はプログラム
- 滞在時間が「0秒」であったり、特定のデバイスに偏っていたりする場合は、AI学習やスクレイピング目的のボットです。
- 分析データの汚染を防ぐ
- そのままではCVR(成約率)が低く算出されるため、GA4の「探索」レポートでフィルタをかけるなど、分析時に除外する工夫が必要です。
- 根本対策はサーバー側で
- あまりに大量でサーバーに負荷がかかる場合は、CloudflareなどのWAFを活用して国単位やネットワーク単位でブロックを検討しましょう。
正しいデータこそが、サイト成長のための唯一の道標です。まずはGA4の「探索」レポートを使って、Lanzhouを除外した「本当の訪問者数」を確認することから始めてみませんか?正確な現状把握が、次なる集客への第一歩となります。
How to Filter GA4 Spam Traffic
この動画では、2025年に入ってから急増しているスパムトラフィックをGA4のレポートから除外する具体的な手順が解説されており、今回の問題解決に非常に役立ちます。
