【2026年解説】南鳥島のレアアース開発は「夢」か「現実」か?株価への影響と6つの壁
「日本の排他的経済水域(EEZ)に、世界需要の数百年分のレアアースが眠っている」 このニュースを聞いて、胸を躍らせた方も多いでしょう。
場所は、日本の最東端・南鳥島(みなみとりしま)。

もしこれが実用化されれば、日本は資源輸入国から輸出国へと生まれ変わります。しかし、結論から言うと「技術的には可能だが、商用化のハードルは極めて高い」というのが2026年時点での冷静な評価です。
なぜ「すぐには無理」なのか? 具体的に見ていきましょう。
- この記事は「こうなったらいいな」「こうなるんじゃないか?」という筆者の個人的な予想・妄想を多分に含んでいます!
- 情報の正確性は保証できませんので、実際に投資や購入をする際は、必ずご自身で公式情報をチェックしてくださいね。
- 投資はくれぐれも自己責任でお願いします。
実現可能性:早くても「2030年代後半」
まず、タイムラインの認識を改める必要があります。 「来年にも採掘開始!」という話ではありません。
- 資源量:
- 確かに膨大です。高濃度の「レアアース泥」が確認されています。
- フェーズ:
- まだ「研究・実証実験」の段階です。
- 実用化時期:
- 商業ベース(利益が出る状態)での稼働は、早くても2030年代後半〜2040年代と予測されます。
つまり、投資テーマとしては「超・長期プロジェクト」です。
立ちはだかる「6つの大きな壁」
なぜこれほど時間がかかるのか? そこには、陸上採掘とは比較にならない過酷な条件があります。
① 超深海6,000mという「水圧の壁」
石油や天然ガスの海底掘削は、通常1,000〜2,000m程度です。しかし、南鳥島のレアアース泥があるのは水深6,000m。
- 技術的課題:
- 600気圧もの水圧に耐えつつ、泥を吸い上げて、6km上の海上まで送るパイプライン技術は、世界でも前例がありません。
- トラブル:
- 故障した際の修理コストが天文学的になります。
② 採算性(コスト)が見合わない
中国などの陸上鉱山での採掘に比べ、深海採掘のコストは数倍〜10倍になると試算されています。 「採れるけれど、売値が高すぎて誰も買わない」状態になるリスクがあります。
③ 環境問題(最大の懸念)
国際社会、特に欧州は「深海採掘」に対して非常に慎重です。
- 生態系:
- 未知の深海生物への影響。
- 泥の拡散:
- 巻き上がった泥が海流に乗って広範囲を汚染するリスク。 環境アセスメント(影響評価)だけで10年単位の時間がかかる可能性があります。
④ 地政学リスク(中国の圧力)
現在、世界のレアアース供給の約7割を握る中国にとって、日本の自給成功は面白くありません。
国際会議での環境保護を盾にした「深海採掘反対キャンペーン」や、日本企業への別の形での圧力などが懸念されます。
⑤ 「薄く広い」資源
量は多いですが、泥の中に均一に含まれているため、効率よく「濃い部分だけ」を採るのが困難です。大量の泥を吸い上げるエネルギーコストが課題です。
⑥ インフラの欠如
採掘した後、南鳥島から本土まで1,000km以上輸送し、精錬(使える状態にする)しなければなりません。現在の日本には、大量のレアアースを処理する精錬プラントが不足しており、サプライチェーン全体の構築が必要です。
日本株への影響と注目銘柄
では、このプロジェクトは株式市場にどう影響するのでしょうか? シナリオ別に整理しました。
シナリオA:開発が前進・実現した場合(ポジティブ)
2030年代に向けて技術的ブレイクスルーが起きれば、以下のセクターは「国策銘柄」として長期上昇トレンドに乗ります。
- レアアース精製・素材メーカー
- 住友金属鉱山 (5713): 非鉄金属の雄。製錬技術の要。
- 三菱マテリアル (5711): 素材加工技術。
- JX金属 (ENEOS HD傘下): 資源開発からリサイクルまで。
- 深海掘削・エンジニアリング
- 三井海洋開発 (6269): 洋上プラント(FPSO)の技術を応用可能。
- IHI (7013) / 川崎重工 (7012): 深海作業ロボットや海底インフラ技術。
- EV・モーター関連
- 日立製作所 (6501) / ニデック (6594): 高性能モーターに不可欠な磁石の安定調達が可能に。
ここまで「防衛」「原発」などの有望銘柄を挙げましたが、テーマ株は乱高下が激しく、高値掴みには注意が必要です。
私は、こうした国策銘柄の売買タイミングを判断する際、松井証券のマーケット情報(無料)を参考にしています。 老舗ならではの分析ツールが見やすく、特に「どの価格帯で注文がたまっているか」がわかる気配値ボードは非常に重宝します。
シナリオB:研究のみで停滞、または失敗(現状維持)
もしコスト面で断念となっても、日本経済全体へのダメージは軽微です。
- 理由:
- 既に日本企業は「脱・中国」を進め、オーストラリアやアメリカからの調達ルートを確保しているため、南鳥島頼みではないからです。
- 注意:
- 「南鳥島関連」だけで買われている小型の仕手株・テーマ株は、ニュースが途絶えると急落するリスクがあります。
投資家はどう動くべきか?
「南鳥島は、日本の切り札(オプション)である」 これが正しい認識です。
すぐに利益を生むビジネスではありませんが、「いつでも採れる技術がある」こと自体が、外交上の強力なカードになります。
【投資戦略の結論】
短期:
ニュースが出るたびに動く「テーマ株」には深入りしない。
長期:
「深海技術」や「素材精製」といった、南鳥島以外でも通用する技術を持つ大手重工・素材メーカー(住友鉱、IHI、三菱重工など)を、押し目で拾っておくのが賢明です。
レアアース関連株考察

レアアース関連株は、国際情勢や「為替(ドル円)」の動きに大きく影響を受けます。 株価だけでなく、日頃からドル円のチャートをチェックしておくことが、売り時・買い時を逃さないコツです。
私はチャートが見やすく、スマホアプリでサッと為替を確認できる「DMM FX」の口座を持っています。 株のヘッジ(保険)として、円安が進行しそうな時はFXでドルを持っておくのも一つのリスク分散になります。
【PR】【DMM FX】アカウント登録のお申込みはこちら- 本記事の内容は、公開時点の情報を基にした投稿者個人の主観による「予想」や「考察」であり、将来の事実や結果を保証するものではありません。
- 記事内で紹介している銘柄、株価、発売時期、仕様などは推測を含みます。
- 投資や購入に関する最終的な決定は、必ずご自身で最新の企業IRや公式情報をご確認の上、自己責任で行ってください。
本記事の解説は、以下の研究機関や省庁の公表情報をベースにしています。
- JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)
- 海洋資源開発の現状
- 南鳥島海域での調査結果や、採掘技術の実証実験レポートが公開されています。
- 東京大学 加藤・中村研究室
- https://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt124
- レアアース泥の発見者である加藤泰浩教授らの研究成果。資源量の推計や、採掘プロセスの提案など、最も詳しい学術情報源です。
- 内閣府(SIP:戦略的イノベーション創造プログラム)
- https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/keikaku2/12_shinkai_1.pdf
- 「革新的深海資源調査技術」プロジェクトの進捗状況やロードマップ。
- 環境省・外務省
- https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaiyo/law.html
- BBNJ協定(国家管轄権外区域の海洋生物多様性保全協定)など、海洋開発に関わる国際ルールの動向。
